12/15/2019

Myth of A Pickle~信じるも信じないもワタシ次第のクリスマスピクルス









クリスマスツリーに飾るピクルスのオーナメント。
いくつものエピソードがあるのをご存じでしょうか。

クリスマスツリーに飾られているひとつのピクルス。
これを見つけた子供はもうひとつプレゼントをもらえるとか
あるいいは次の一年が幸せであるとか、何か良いことが起こるとか。
これはドイツの話だというのだが、ドイツ人の友人は「ウソウソ」と言った。
ただの迷信のようである。

そしてその迷信はアメリカで作られたというからまあ、アメリカという国は。
1880年代に大手デパートのウールワースが
ドイツからガラス製の野菜や果物のオーナメントを輸入した際
前述の話をクリスマス商戦の戦略として生み出したようである。
しかしクリスマスピクルと呼ばれるようにまでなったピクルスのオーナメントは
現在でもオーナメントの定番として変わらぬ人気を誇り
記憶の中では、友人知人宅のツリーにも100%の確率で毎年ピクルスが揺れている。




そして我が家である。フェイク・ミソロジーを信じて疑わなかった25年前。
5番街のデパート、フォーチュノフで全長10㎝のピクルをひとつ買い求め
そこそこのお値段が痛かったのを忘れもせぬが、意気揚々とツリーに飾った。
勿論ただ手に入れたことが嬉しかっただけで、何を期待するでもなかったのは本心だ。

が、その翌日。
チープトリックのライブがあるという、とあるカジノに出向いた金曜の夜。
生まれて初めて座ったスロットマシンが当たって当たってどうにも止まらない。
$1100, $2500, $5000... どうしたことか大小ジャックポットが幾度となく続き
ハイパーなこの状況が私の思考キャパシティを超え、恐ろしくなって席を立つと
まるでアリがパンくずにでも群がるようにシートの争奪戦。
何も私に非などないのだが、罪を犯したような気持ちでその場を離れた。
その後のあの席を私はチープトリックに夢中で気にも留めなかったが
もしも私が去るなりピタッと当たりが止まっていたとしたら。
もしもそうなら、クリスマスピクルの魔法ではなかったか。


これが私の、クリスマスピクルの思い出だ。
単なる偶然、いくら私がすっとこどっこいだって分かっている。
けれどまあ、カジノでジャックポットを当てたなどという品のない話はさておき
心を浮き立たせる何かを「幸運をもたらす」と思うことで小さな己の明日を楽しく歩めるなら
ウールワースの戦略も、それに踊らされる消費者も、悪くないのではないかと思うのだ。
信じるものは救われると言うことだし。

日本ではなかなか見かけないクリスマスピクル。
アメリカでは、毛糸やフェルトの手作りオーナメントもよく見かける。
作って飾ってみますか、クリスマスピクル。
翌日買った年末ジャンボが、当たるかもしれない。



Happy Holidays!
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