12/25/2019

Memoir of Christmas~最後のクリスマス






Christmas Eve というと私は1980年代を過ごしたホノルルの思い出が多い。
話せば数限りないが、毎年あの頃に心を帰してくれるタイムマシンがあって、この歌もそのひとつだ。

ラジオから一日何度流れたことだろう。
私のみならず友人の何人もが言う。
「この歌には良い思い出も悪い思い出もたくさんあって、良いんだか嫌なんだか」
クリスマスソングのシグニチャー的この歌は
耳にする頻度が高い為に人のさまざまな出来事におのずと触れてしまうのだ。
それを好ましく思わないのではない。
思い出をたくさんくれてありがとうと、感謝を伝えたくなるほどの大切な歌である。






私がホノルルを離れたのもChristmas Eve であったが
その前々日、友人がチャイナマンズ・ハット(本当はMokoli'iという名の無人島)を望むビーチに連れてきてくれて
楽しかった日々を振り返りながら笑っては泣き泣いては笑い、夕方まで眺めていた。
週末によく遊んだこの砂浜を、私たち二人の最後の思い出作りに選んでくれた。
彼女は私を見もせず、日が陰って冷たくなった砂を均しながら
「今日のことも、これまでのことも、私のことも、ずっと忘れないでよ」
簡単な言葉。けれど今思い出しても涙が溢れる、優しい友の別れの言葉だった。
近くを散歩していたカップルが持っていた大きなカセットプレイヤーからこの歌が流れていた。

彼女もその後ホノルルを出てイギリスの大学へ移ったまではやり取りがあったが
その後の消息は辿れぬままだ。
けれど少しも寂しくない。きっと彼女も今日、あの日を思い出しているだろうから。

雪景色の似合うカーペンターズのこの名曲が
私にとっては常夏の島の青春ソング。
今年も幾度となく流れ幾度となく聴いて、あの日が蘇った。
人生長く歩いてくるとクリスマスは、形も音も色も、ひとつではないなと思う。



Merry Christmas
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